二平方メートルの世界でまた、 わたしらしく生きていく。

病気であるわたしのような子どもが、
将来のゆめを持つことや、
自分にできることを見つけるのは、とてもむずかしい。

だけど、明日のことがだれにもわからないのは、
病気であってもなくても同じだと思う。
一日一日の大切さを、
いっしゅん感じたり見たり聞いたりすることの大切さを、わたしは知っている。
生きていることのすばらしさは気づきにくいということも、わたしは知っている。

来年、
わたしは長期入院を
ひかえている。
二平方メートルの世界でまた、
わたしらしく生きていく。
オーバーテーブルにではなく、
心に言葉をきざみこむ。
それがだれかに
届くかもしれないから。

 



 

『二平方メートルの世界で』
                    前田海音 文
                    はたこうしろう 絵