ロシア国家親衛隊115人、ウクライナ出征を拒否…侵攻に反旗の動き相次ぎ表面化 2022/05/30

ロシア国家親衛隊115人、ウクライナ出征を拒否…侵攻に反旗の動き相次ぎ表面化
2022/05/30 読売新聞

 

 ウクライナ侵攻への異論を厳しい情報統制で封じているロシアで、侵攻に反旗を翻す動きが相次いで表面化した。露極東沿海地方の議会では、野党議員が本会議中に、プーチン大統領ウクライナ侵攻停止を要請する異例の行動に出た。


 露有力紙コメルサントなどによると、この議員は、共産党のレオニード・ワシュケービッチ氏。27日にウラジオストクで開催された本会議で突如、声明を読み上げた。極東からも兵士が派遣されていることを念頭に「軍事作戦を中止しなければ、我が国の孤児が増えてしまう」と述べ、ウクライナからの撤収を求めた。


 プーチン政権与党「統一ロシア」のオレグ・コジェミャコ知事は、「ロシア軍と、ウクライナでナチズムと戦う人をおとしめる裏切り者だ」と非難した。共産党会派の代表は、ワシュケービッチ氏と、賛同した議員を厳罰に処す方針を明らかにした。

 英字紙モスクワ・タイムズによると、露国内の地方議員が侵攻に公然と反対を表明したのはこれで3人目で、これ以前の2人はいずれも出国したという。

 一方、インターファクス通信によると、露南部カバルジノ・バルカル共和国の軍事裁判所は26日、ウクライナへの出征を拒否した治安組織「国家親衛隊」の隊員115人に対する除隊処分を支持する判断を示した。露当局が、参戦を拒否した兵士の存在を認めたのは初めてとみられる。