<国際司法裁判所 ロシアに直ちに軍事行動やめるよう暫定命令> 2022年3月17日 10時31分(NHK)

国際司法裁判所 ロシアに直ちに軍事行動やめるよう暫定命令>
2022年3月17日 10時31分(NHK
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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻について、オランダにある国際司法裁判所は「国際法に照らして重大な問題を提起している」としてウクライナ側の訴えを認め、ロシアに対して直ちに軍事行動をやめるよう命じる暫定的な命令を出しました。
ウクライナは先月26日、ロシアによる軍事侵攻には正当な理由がないとして、オランダのハーグにある国際司法裁判所に提訴し、合わせてロシアに対して直ちに軍事行動をやめさせる暫定的な命令を出すことも求めました。
国際司法裁判所は16日「ウクライナで起きている広範な人道上の悲劇を深刻に受け止めており、人命が失われ人々が苦しみ続けている状況を深く憂慮している。ロシアによる武力行使国際法に照らして重大な問題を提起しており、深い懸念を抱く」として、ウクライナ側の訴えを認め、ロシアに対して直ちに軍事行動をやめるよう命じる暫定的な命令を出しました。
国際司法裁判所の訴訟には当事国の同意が必要で、今回ロシアはその意思を示していませんが、裁判所は暫定的な命令には法的拘束力があるとしています。
命令には15人の裁判官のうち13人が賛成し、ロシアと中国の裁判官が反対しました。
国連の主要機関で「世界法廷」とも呼ばれる国際司法裁判所で、軍事侵攻に厳しい判断が示されたことで、たとえロシアが受け入れなくても、ウクライナへの国際的な支援に一層の正当性が認められることになり、同じハーグにある国際刑事裁判所で始まっている戦争犯罪などの捜査にも影響を与える可能性が指摘されています。