ある陰謀論     北丸雄二

ある陰謀論     北丸雄二

2021/9/24 東京新聞

 


 世の中あちこちで防犯カメラが監視していて、賽銭泥棒もコインランドリー破壊男もすぐさま特定されて逮捕されるし、治安が良くなって万々歳という同心円上にきっとJR東日本が顔認証付き監視カメラで重大犯罪の出所者や指名手配犯を駅で検知するという判断があったのでしょう。これが「プライバシー保護の論観点上、問題だ」と取りやめになって「え? プライバシーより防犯でしょ」と思う人も多いと思るいます。でもこれ、プライバシーの問題より、その監視情報を扱う人たちをどれだけ信用できるかという問題なのです。監視カメラ先進国の中国では、日本で考えれば極めて「普通」の香港市民たちがどんどん顔認証で割り出されて拘束され、やる気になったら何だってやれるから「権力」と呼ぶのだなと改めて気づかせてくれました。日本だって前首相のお友達への準強姦容疑逮捕状を握りつぶしたという人が警察組織のトップになり、前首相の秘書官だった人が埼玉県警本部長になったら秩父で「勝手踏切」を渡った対立政党の人が書類送検され、滋賀県警では患者死亡を巡る再審で無罪が確定した看護助手だった人を今もなお犯人扱いしていたりと、「普通の人」を「普通じゃない人」認証する判断にも勝手に踏み切っちゃえるわけです。怖い怖い。考え過ぎ? 陰謀論? もちろんそうなら万々歳ですね。(きたまるゆうじ ジャーナリスト)