改ざん指示に抵抗の痕跡 赤木さん「納得できず」―森友学園めぐる公文書改ざん 2021年06月22日

改ざん指示に抵抗の痕跡 赤木さん「納得できず」―森友学園めぐる公文書改ざん
2021年06月22日 時事通信

 

 財務省近畿財務局職員赤木俊夫さん=当時(54)=が自殺し、財務省が文書改ざんを認めてから3年余り。赤木さんが改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」の内容が22日、初めて明らかになった。改ざんの指示者などは黒塗りされていたが、財務省理財局から近畿財務局にメールで届いた指示を逐一記録し、改ざんを強制され葛藤していた赤木さんの抵抗の痕跡が残されていた。

 文書改ざんは、財務省が国会議員などに説明するのに備えて行われた。赤木さんは「本省の対応」と題する文書で、改ざん指示は「詳細が不明確なまま、本省審理室(担当補佐)からその都度メールで投げ込まれてくる」と表現。上司による「本省理財局が全責任を負う」との説明には、「納得できず」と記し、「本件の備忘として、修正等の作業過程を記録しておく」とつづった。
 初めて改ざん指示があったのは2017年2月26日。「現時点で削除した方が良いと思われる箇所があります」と、丁重な文言で決裁文書の「差し替え」が依頼された。近畿財務局幹部は「差し替えしときます」と軽く応じたが、「ご指示に従い、内容を確認して、大幅にカットさせていただきました」とした翌27日の赤木さんのメールの文面には不満も垣間見えた。
 同年3月8日のメールでは、会計検査院による調査を前に何度も「修正」を求める理財局に対し、「既に意思決定した調書を修正することに疑問が残る」と強く反発。赤木さん以外には改ざん自体に疑義を呈したメールのやりとりはなかった。
 文書には改ざん箇所が分かるようにきちょうめんにマーカーの線が引かれ、「変更後」などと書き込んで明示。前代未聞の大規模な公文書改ざんの過程を記録に残そうと、孤軍奮闘していた姿が浮かんだ。