行きつけ店は?2年で1.5億円、大臣らの飲食費を分析

 行きつけ店は?2年で1.5億円、大臣らの飲食費を分析

 

2020/12/4 朝日新聞

 

 政治家は飲食代をどれくらい使い、どんな店を使う傾向にあるのか――。閣僚らの政治資金収支報告書をもとに調べたところ、飲食代は昨年までの2年間で1億5千万円にのぼり、高級ホテルや老舗割烹(かっぽう)を中心に手軽な居酒屋も「行きつけ」になっていた。

 朝日新聞は、現職の閣僚と各政党の党首計28人が代表の政党支部資金管理団体の収支報告書(2018~19年)のうち、11月30日までに入手したもの(兵庫県選管分をのぞく)を対象に「会合費」や「飲食代」などの支出を調べた。

 その結果、この2年間で政治家側は1234店に計1922回、総額1億5358万431円を支出していた。支出先の1~4位はホテル関係が占めており、トップ20ではさらに二つのホテルがランクイン。自由党の副幹事長を務めた平野貞夫さん(85)は「ホテルは出入り口が多く、人知れず会合を開くにはうってつけ」と話す。トップ20にはこのほか、割烹とすしも3店ずつ入った。

 支出回数を議員別に見ると、最多は武田良太総務相=衆院福岡11区=の443回(計3151万1447円)。最も頻繁に使っていたのはすし店で、3回に1回の割合だった。東京・赤坂の割烹2店に計32回で約860万円を支出していたのも目立つ。この2店は会員制と一見客はお断りの店で、1回で100万円近く支払った例もあった。これらの店関係者によると、1~2カ月分の代金をまとめて請求しているという。武田氏の事務所は「法令に基づいて適正に処理しています」とした。


 武田氏側はこのほか、赤坂の「博多よかろう門本店」にも28回支出。同店は「もつの甘辛あげ」(400円)が売りの居酒屋だ。店長の日永田(ひながた)航希さん(31)によると、武田氏は秘書や仲間の議員たちと訪れ、唐揚げやもつ鍋をよく頼むといい、「多い時で月2、3回使っていただいている」。ともに福岡県出身という同郷意識もあり、「今では頼まれなくてもほしいものがわかります」と話す。

 支出回数では、麻生太郎財務相=衆院福岡8区=が335回(4551万7085円)で続いた。支出額は最多で、1回あたりの平均支出は、28人中トップの約13万6千円。ホテルへの支出が101回を数えるが、東京・六本木の会員制クラブにも17回で約840万円を支払い、料亭にも頻繁に通うなど、活発な活動ぶりがうかがえる。

 このほか、茂木敏充外相=衆院栃木5区=も「行きつけ」があるようで、高級割烹と日本料理店の2店に計22回で約280万円を支払っていた。菅義偉首相=衆院神奈川2区=は1回で1万4千円の支出にとどまった。

 それぞれが行きつけの店を持つ一方で、多くの閣僚に愛される店もある。

 東京都千代田区平河町の「赤坂四川飯店」だ。加藤勝信官房長官=衆院岡山5区=を筆頭に7人の閣僚が計12回、利用していた。自民党本部から青山通りを挟んで約250メートルの位置にあり、昼夜を問わず、地方議員や事務所スタッフとの会合に利用する国会議員が多いという。