辺野古新基地「地元で合意」は一方的 沖縄側提示の条件白紙化で<菅氏出馬会見チェック>

辺野古新基地「地元で合意」は一方的 沖縄側提示の条件白紙化で<菅氏出馬会見チェック>

2020年9月4日 05時50分 東京新聞
 

 菅義偉官房長官は2日に行った自民党総裁選の出馬表明会見で、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での米軍新基地建設は「地元の合意」に基づくものだと強調した。本紙でファクトチェック(事実確認)したところ、合意当時に沖縄側が提示した新基地建設の条件がその後、白紙となっている。誤解を招きかねない一方的な発言と言える。
 菅氏は会見で、沖縄県にある米軍基地の約2割の返還を決定した1996年の日米特別行動委員会(SACO)合意に触れ「日米で合意し、沖縄の地元の市長、県知事とも合意した中で辺野古建設が決まった」と語った。
 新基地を巡っては99年に当時の稲嶺恵一県知事、岸本建男名護市長が受け入れを表明した。「軍民共用空港」とすることや、15年の使用期限の設定などの条件付きで合意し、閣議決定された。
 しかし政府は2006年に辺野古沿岸にV字形滑走路を造る計画で米政府と合意し、新たな方針を閣議決定。1999年の閣議決定は廃止され、軍民共用空港、15年使用期限などの条件は白紙となった。
 菅氏は3日の会見で「条件が外された形で閣議決定され、当時の県知事も反発している。正確ではないのでは」と問われ「地元の県の許可がなければ工事はできず、法的手続きの中で進んできた」と説明。使用期限などの条件には言及しなかった。
 学校法人「森友学園」への国有地売却に関連する決裁文書の改ざん問題を巡っても、菅氏は出馬会見で「財務省関係の処分が行われ、既に結論が出ている」と語った。ただ、処分されたのは官僚のみ。トップの麻生太郎財務相の責任はいまだにうやむやのままだ。(村上一樹)