風力発電機市場 日本勢は“不在” 発電機の大型化競争で欧米勢に取り残され

風力発電機市場 日本勢は“不在” 発電機の大型化競争で欧米勢に取り残され

 日立は1月下旬、風力発電機の生産から撤退すると発表した。世界では、建設の制約の少ない広い平地や洋上を中心に、発電量あたりのコストが安い大型発電機が主流になっている。日立はこれまで、建設に適した地域が少ない国内で風力発電事業を展開。昨年の台湾での発電機受注を手始めに海外展開を狙った。しかし、既に大型発電機の市場拡大が進む欧州のメーカーが開発で先行。日立は台風に耐えられる発電機などを開発したが、大型化競争についていけなかった。日立の発電機の最大出力5200キロワットに対し、スペインのシーメンスガメサや米ゼネラル・エレクトリック(GE)はすでに発電効率の良い1万キロワット級の大型風力発電機の開発に着手しており、開発投資に見合う利益回収が困難だと判断し、撤退を決めた。

 
 
MHIヴェスタスが建設したデンマーク風力発電機=三菱重工業提供

 日本勢ではこのほか、日本製鋼所風力発電機の不具合で損失を出したことから2017年3月以降受注を停止し、事実上撤退。三菱重工は1980年代に米国に進出したが、08年以降、GEと特許を巡る訴訟が起きたことで受注が減り、事業継続を断念した。

 風力発電の国際的業界団体「世界風力会議」(GWEC)によると、風力発電の総出力は01年の2300万キロワットから、17年は5億3900万キロワットと約23倍に増加。22年には約8億4100万キロワットに拡大すると予想されるが、日本勢はほぼ不在の状況だ。米FTIインテリジェンスによると、17年の新規建設のメーカー別シェアは、デンマークのヴェスタスが16・7%と首位で、上位5社が約6割を占めた。