井戸川克隆前双葉町長が語る福島原発事故当時の実態

井戸川克隆前双葉町長が語る福島原発事故当時の実態




○3月11日 夜9時すぎ 
東電の社員も家族もだれ一人双葉町に残っていなかった 
いち早く社宅を出て、役場にいた社員も黙って消え去りました 
そういう会社ですよ、東電は 
現在、どこかで何食わぬ顔をして生きているんでしょうけど、ひどい話ですッ 

○12日の昼 
役場の南側の窓に設置していた線量計の針が振り切れたという 
1号機のベント放出があった時刻だ 
役場に頭から足まで隠した真っ白のフル装備の警察官が近寄ってきて、私に耳打ちしました 
「町長、限界ですよ」と 
官邸や東電からは断片的な情報しか入らず、唯一警察官からもたらされたひと言が命を守る情報でした 

○12日午後2時 
最終退避命令を出したんです 

○午後3時36分 
双葉町福祉施設がある現場で… ド〜ンという地響きのような音 
1号機の爆発音でした 
その4、5分後に空からぼたん雪のようなフワフワした断熱材が静かに駐車場に舞い降りた 
警察官や自衛隊員、バスの運転手ら約300人が見たんですよ 

あの時、“これで死ぬな”って思いました…