日本株、深まる日銀依存 17年の年間投資主体別売買動向

日本株、深まる日銀依存 17年の年間投資主体別売買動向

2018/1/10 日本経済新聞



 日銀が2017年に買い入れた日本株の上場投資信託ETF)は累計5兆9033億円と、7532億円だった海外勢の買越額を大幅に上回った。日経平均株価が約26年ぶりの高値を回復するなか、日銀が相場を支える構図が鮮明になった。

 日銀は金融緩和策の一環で10年からETFを購入。直近の保有額は推計で24兆円規模に達し、東京証券取引所第1部の時価総額(約708兆円)の3%を占める。上場企業の4社に1社で日銀が株主の上位10位以内に入っていることになる。

 東証が10日発表した17年の投資主体別売買動向(東京・名古屋、1.2部などの合計)によると海外勢は3年ぶりに買い越したが、買越額はアベノミクス相場に沸いた13年の約15兆円を下回った。個人は株高局面で利益確定に傾き、売越額は5兆7934億円と4年ぶりの大きさだった。

 日銀は年6兆円規模のETF購入を続ける構え。日本株について黒田東彦総裁は「現時点でバブルという状況ではない」と発言。市場でも「相場への影響を考えれば大幅な購入減額は考えにくい」(三井住友アセットマネジメントの市川雅浩氏)との見方が多い。