PKO日報の保管、稲田氏に2月報告 陸自幹部

PKO日報の保管、稲田氏に2月報告 陸自幹部

2017/7/20  日本経済新聞



 南スーダン国連平和維持活動(PKO)に派遣した陸上自衛隊の日報を巡る問題で、陸自幹部が特別防衛監察の聴取に対し、日報の電子データ保管の問題が発覚する前の2月に稲田朋美防衛相に報告したと説明していることが20日分かった。事実であれば稲田氏は、その後の国会で虚偽答弁した可能性が出てくる。防衛省は来週中にも監察結果を公表する方向で調整している。



 防衛省関係者によると、陸自は2月中旬、廃棄したとされていた日報の電子データが陸自内に保管されていたことを稲田氏に報告。防衛監察本部に対して、こうした経緯を説明したという。

 陸自内の日報データが残っていたことは、3月15日の一部報道で発覚した。これを受け、同17日に防衛相直属の防衛監察本部が特別防衛監察を開始した。背広組と呼ばれる内局や、制服組と呼ばれる統合幕僚監部陸上幕僚監部などを対象に聞き取り調査を進めている。

 今月に入り、稲田氏が日報データ残存を2月中旬の段階で把握していたとの報道が相次いだ。稲田氏は3月16日の国会で「(陸自から)報告は受けていない」と答弁しており、稲田氏がデータの非公表を了承していたかどうかが焦点となっている。

 稲田氏を巡っては、複数の防衛省関係者の話から、2月15日に黒江哲郎防衛次官、岡部俊哉陸幕長らと会議を開き、日報データの残存について協議したことが分かっている。稲田氏はこの日に岡部氏と協議したことは認めたものの、岡部氏から日報データ残存の報告があったことは否定している。