[機動隊 差別発言を問う]沖縄へのまなざし露呈 親川志奈子さん

[機動隊 差別発言を問う]沖縄へのまなざし露呈 親川志奈子さん

2016年10月21日  琉球新報




 日本人が沖縄を見る時の差別のまなざしがはっきり表れた表現だった。これは言った者と言われた者の個人的な体験ではなく、日本人と琉球人の間で起こった公的な事件だ。発言者が何をもって「土人」と言ったのかは分からないが、私たちは「『土人』なんかじゃない、同じ日本人だ」という反応はしてはいけない。それでは自らに降りかかる火の粉を降り払っても、差別構造自体は容認していることになるからだ。

 1903年の人類館事件の際、沖縄は「アイヌや台湾の人と同じに扱うな。私たちも日本人なのだ」と反応した。この113年間の歴史が示す通り、私たちが「日本人」となるため重ねた努力は何の解決ももたらさなかった。痛みや怒りと正しく向き合わなければ、差別を払拭(ふっしょく)できぬまま、私たちも差別者となる。

 私が「女のくせに」と言われたとき、「私は女なんかじゃない」と返すほど滑稽なことはない。少数派や弱者であることが問題なのではなく、少数派や弱者を差別する社会が問題なのだ。多数派や権力側に付くことに価値を置き、彼らに同化する必要はない。

 さまざまな人が共生するためには、少数派を差別する社会が悪いのだと認識することが必要だ。多数派の一部になることで得られるものはなにもない。少数派の人権が守られるよう働きかけることが私たちの役割だ。
(沖大非常勤講師)