渋谷ハチ公前街宣でのICU4年小林叶(かなう)さんのスピーチ

米国LA在住・鈴木 正師さんより:
渋谷ハチ公前街宣でのICU4年小林叶(かなう)さんのスピーチ。
2015/10/18


<<<スピーチ書き起こし>>>>

渋谷の皆さん、こんにちは。国際基督教大学4年の小林です。

戦後70年の歴史を大きく変える法律が、先月可決されました。私も、連日国会前で声を上げました。

しかし、そんなことには目もくれる余裕もないほど、毎日を生きることに精一杯な人々がいます。

1日中朝から晩まで必死に働き、それでも子どもを高校へ進学させてやれない120万人ものシングルマザー。
明日自分のクビが切られるかもしれない不安に怯える250万人の派遣労働者
ご飯をおなかいっぱい食べることができない320万人の幼い子どもたち。

私が今こうして話している間にも彼らが考えていることは、
もし自分の家が生活保護を受けていることがばれたら、周りに白い目で見られてしまうのではないか、ということ。

大学進学のために借りる500万の奨学金を自分の力で返済できるのか、ということ。
もし自分一人で子供養うとしたら、月10万円の給料でどうやって暮らせばよいか、ということ。
もし明日仕事を失ったら、自分の居場所はこの社会に存在するのか、ということ。

つまり、今日を生き延びることができるか、明日を無事に迎えられるか、それが彼らの切実な思いではないでしょうか。

安倍首相は日本を「美しい国」、「すべての女性が輝く社会」そして、「一億総活躍社会」にしたいそうです。
しかし現状はどうでしょうか。

この国には、進学を諦めキャバクラで働き、家族を養わなければならない10代の子がいます。
この国には、子どもの学費のために裏で自分の内臓を売り、生活をつなぐ母親がいます。
この国には、何度も生活保護を申請したが拒否され、食べるものもなくやせ細り、命を失った女性がいます。
この国には、ひとりぼっちで、誰にも看取られることなく、冬の寒空の下、路上で命を落としていく人々がいます。

そんな彼らを、「今まで何していたんだ? 努力が足りないんじゃないか!」と切り捨てる。それが日本の政府です。

私は言いたいです。たった一人の、たった一人の子どもの命も救えない、たった一人の母親に生きる希望を与えることができない、そんな国の言うことを、私達はどうして信じることができますか?

学費を稼ぐため風俗で働くのは、あなたの子どもかも知れません。
ストレスと鬱に苦しんで自殺するのは、あなたの父親かも知れません。
冬、暖房のない部屋でやせ細って死ぬのはあなた自身かも知れません。

そして政府は、そっとあなたに囁くでしょう。食事も住居も用意してくれる、学費も肩代わりしてくれる、そんな仕事があるよ、と。
そうして、その仕事についたあなたは、他国の脅威から「日本を守る」ため、遠く離れた大地へと送り込まれることとなるでしょう。

しかし、忘れないで下さい。

あなたが守るはずの日本に、あなたは殺されそうになっているのだということを。
あなたにとっての脅威は他国ではなく、この国であるということを。
あなたの生活は今まさに、この国によって存立危機事態に追い込まれているのだということを。

私が思い描くのは、こんな未来ではありません。

誰もが、心から、生きていて良かったと、自分はこの世界に生まれてきて良かったと言える、
あなたにしか聞けない声があり、あなたにしか見えない世界があり、あなたにしか語れない言葉がある、

そんな他の誰でもない、そんなあなたを必要としていると、
そう胸を張って言うことができる国を、私は夢見ています。

そのために必要なのは、「強い国」となるための、一発数千億円のミサイルでしょうか?
違います。

わたしたちが求めているものは、ただ、大切な人とほおばる温かいご飯であり、
望む学校へ進学できるチャンスであり、
一人親でも子どもとゆっくり向かい合うことのできる時間であり、
ひとりぼっちで悩んでいるあなたをいつでも迎え入れてくれる居場所ではないでしょうか。

世界があるからあなたがいるのではなく、あなたがいるからこそ世界はあるのです。

希望なき人々のためにのみ、希望は与えられています。終わっているなら始めましょう。

10月18日、私は安倍政権の退陣を求めます。

ありがとうございました。(終)