伊方3号機を規制委が許可 冬以降再稼働の可能性
2015年7月15日16時30分 朝日新聞
原子力規制委員会は15日、四国電力伊方原発3号機(愛媛県)について、新規制基準を満たすと認める審査書を決定し、四電による安全対策の基本方針の申請を許可した。これで主な審査は終わり、残りの認可手続きと地元自治体の同意に焦点が移る。再稼働は今冬以降になる可能性が高い。審査書の決定は、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)と関西電力高浜原発3、4号機(福井県)に続き3例目。規制委は5月にまとめた審査書案について意見募集し、寄せられた3464件の指摘を踏まえて文言などを修正した。
伊方3号機は、使用済み燃料から取り出したプルトニウムを混ぜた燃料を使うプルサーマル発電で再稼働する計画。敷地の近くに国内最大規模の活断層「中央構造線断層帯」が通り、審査では地震の揺れの想定を引き上げるよう迫られた。事故時の対策拠点の増設や配管の耐震対策が必要になり、工事は今秋までかかる見通しという。
規制委は今後、設備の詳しい設計や運転手順などの認可手続きを進める。再稼働の地元同意について、愛媛県の中村時広知事と伊方町の山下和彦町長は明確な態度を示していない。(東山正宜)