原発事故に伴う除染をめぐり、環境省は1日、県内市町村の多くが除染の目標とする空間放射線量「毎時0.23マイクロシーベルト」を除染目標ではないと強調、空間線量から個人被ばく線量に基づいた除染に転換する新方針を示した。除染目標については年間被ばく線量1ミリシーベルト以下を提示。県内4市の調査結果から、1ミリシーベルトに相当した平均的な空間線量のデータとして「毎時0.3〜0.6マイクロシーベルト程度」を例示した。新数値の提示により、国には住民の理解が進むよう、責任ある説明が一層求められる。
井上信治環境副大臣が同日、福島市で会見し国と福島、郡山、相馬、伊達4市による勉強会の中間報告として発表した。「毎時0.23マイクロシーベルト」は、除染目標の年間被ばく線量1ミリシーベルト以下を換算するため、一定の生活パターンを設定して1時間当たりの空間線量として表した数値。これについて報告書は、事故当初に除染の実施地域を決めるために用いた基準だと強調、「安全基準」としての活用を否定した。
(2014年8月2日 福島民友ニュース)