(プロメテウスの罠)原発のごみ:7 結局はおカネでしょ


(プロメテウスの罠)原発のごみ:7 結局はおカネでしょ

2014年2月17日05時00分




 映画監督の鎌仲ひとみは、映画「六ケ所村ラプソディー」で、東大大学院教授だった班目春樹(まだらめはるき)(65)に自らインタビューした。

 班目は、のちの東電の原発事故時の原子力安全委員長である。

 鎌仲が「日本には核廃棄物を受け入れる場所がありませんよね」と問いかけると、班目は、何をいっているのかという口調で答えた。

 「最終処分地の話は、最後は結局おカネでしょ?」

 映画の中で、班目は続けている。

 「受け入れてくれないとなったら、お宅にはその2倍払いましょう。それでも手を挙げてくれないんだったら5倍払いましょう。10倍払いましょう。どっかで国民が納得する答えが出てきますよ」

 鎌仲は、最終処分地の可能性を探るボーリング調査で国から20億円の交付金が出ることについて尋ねた。

 班目は答える。

 「(20億円なんて)たかが知れてるらしいですよ、あの世界は」

 「原子力発電所1日止めると(損失は)1億円どころじゃないわけですよね」

 鎌仲は、原発のごみを押しつけられる側への配慮がまったくないことにあきれた。ただ「逃げまわる識者に比べ、原子力村のホンネを語ってくれていてありがたい」。

 六ケ所村議会は、核燃料サイクルから撤退するなら「使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物を村外に出す」との意見書を採択した。

 しかし最近では「最終処分地」を受け入れてもいいという声が村議会で出始めている。

 村議で岡山建設会長の岡山勝広は取材に対して、こう言った。

 「最終処分前の貯蔵ということで200年、置いておけばいいんだ。それで200年後の技術で処分すればいい。宇宙へのエレベーターができたら、それで宇宙に持っていってしまえばいい」

 核燃サイクル施設を運営する日本原燃企業城下町といっていい六ケ所村にとって、核燃サイクル抜きでは村の将来図が描けない。

 鎌仲は、岡山のこの発言を、科学に対する幻想だ、といった。

 「でも、それを私たちは批判できない。いまの村をつくり出したのは、電気を使う私たちなんです」

 六ケ所村だけではない。原発のごみの送り先をめぐり、国や電力会社にもてあそばれるのは、つねに過疎地である。鹿児島県の南大隅町もそうだ。(小森敦司)