核燃料の中間貯蔵施設 安全審査を申請

核燃料の中間貯蔵施設 安全審査を申請
1月15日 18時55分 NHKニュース




原子力発電所にたまり続けている使用済み核燃料を一時的に保管するため、国内で初めて青森県むつ市に建設されている中間貯蔵施設について、事業者が操業開始の前提となる安全審査を原子力規制委員会に申請しました。

申請を行ったのは、東京電力日本原子力発電が出資して設立した「リサイクル燃料貯蔵」で、山崎克男常務が15日、原子力規制委員会を訪れ、申請書を提出しました。
中間貯蔵施設は各地の原発にたまり続ける使用済み核燃料を一時的に保管するものです。
青森県むつ市の施設では、東京電力日本原子力発電原発から出る合わせて3000トンの燃料を受け入れ、鋼鉄製の容器に入れて最長で50年間保管する計画です。
「リサイクル燃料貯蔵」は、去年、施行された新しい規制基準に対応するため、想定される最大規模の地震の揺れを当初の設計の1.3倍余りに引き上げて、耐震性を再評価するなどした結果施設の安全性に問題はなかったとしています。
申請後、山崎常務は「東日本大震災を踏まえて地震津波に対する評価の見直しをしたので、新基準に照らして安全性が確保されていることを審査で確認してほしい」と話していました。
「リサイクル燃料貯蔵」は、今後、原子力規制委員会の審査などを経て来年3月に中間貯蔵施設の操業を始めたいとしています。
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注目度増す議論

国の原子力政策のつまずきで各地の原発に使用済み核燃料がたまり続けるなか、一時的に保管する中間貯蔵施設をさらに増やす必要があるという意見がある一方で、原発がある自治体からは「施設は電力の消費地につくるべきだ」とする声が上がり、議論は注目度を増しています。
日本が原子力政策の柱としてきた核燃料サイクルでは使用済み核燃料はすべて再処理しプルトニウムなどを取り出して再び燃料として利用する一方、残った高レベル放射性廃棄物を地下深くに埋める計画です。
ところが、青森県六ヶ所村の再処理工場はトラブル続きで本格稼働できず、高レベル放射性廃棄物の処分場は候補地すら決まっていません。
こうしている間に、全国の原発などには、およそ1万7000トンに上る使用済み核燃料がたまり、多くの原発の燃料プールは満杯に近づいています。
このため、原発の運転を再開させようという電力会社は使用済み核燃料を再処理するまでの間、中間的に貯蔵できる施設を増やす必要性を訴えています。
また、東京電力福島第一原発の事故で、冷却ができなくなった場合の使用済み核燃料の危険性が明らかになったことから、経済産業省の審議会がまとめた新しい「エネルギー基本計画」の素案では、安全確保のためにも、中間貯蔵施設などの建設は喫緊の課題だとしています。
こうしたなか、全国で最も多くの原発がある福井県の西川知事は「中間貯蔵施設はこれまで電力の恩恵を受けてきた消費地で対応すべき課題だ」として、原発のない自治体が受け入れるよう繰り返し求めています。
しかし、青森県むつ市に続いて受け入れようという自治体はなく新たな施設を建設できる見通しは立っていません。