9月の平均被ばく1.01ミリシーベルト 第一原発作業員 今年度初の1ミリシーベルト超え
東京電力福島第一原発で廃炉作業などに当たる作業員の外部被ばく線量が上昇傾向となっている。9月の1カ月間の平均被ばく線量は1・01ミリシーベルトで、今年度初めて1ミリシーベルトを超えた。
21日に福島市の杉妻会館で開かれた県廃炉安全監視協議会労働者安全衛生対策部会で東電が報告した。
東電によると、平均被ばく線量は7月が0・81ミリシーベルト、8月が0・94ミリシーベルトだった。今年4月以降は0・80ミリシーベルト前後で推移していたが、放射線量が高い海側での地盤改良工事などが増えたことで被ばく線量が上昇している。今後は溶けた燃料の取り出しに向けた作業が本格化するため、被ばく対策の一層の充実が求められる。
放射線業務従事者の被ばく線量限度は年間50ミリシーベルトとされている。4月以降の1カ月間で20ミリシーベルトを超えた作業員はいないが、現場経験が豊富な熟練作業員ほど被ばく線量が高い傾向にあり、長期的な人材確保対策が不可欠となっている。
県は被ばく線量低減に向けた環境整備などを求めた。