言葉

自らの考えを「私情」と排し、ひたすら周囲に従うのをモラルとするような指導者

「私の個人的意見は反対でありました」。日本が戦争に向かった経緯について、A級戦犯が東京裁判で語った言葉を政治学者の丸山真男が書き残している。 自らの考えを「私情」と排し、ひたすら周囲に従うのをモラルとするような指導者の言動を丸山は「既成事実…

『遙かなノートル・ダム』 森有正 (1967年 筑摩書房)

『遙かなノートル・ダム』 森有正 (1967年 筑摩書房) 「霧の朝」 戦争を人間に対する悪であり、障害である、と公言している連中が、体験の切実さに、読者と共に参ってしまって、悪や障害から結局何かを吸い取り、体験が増大したのを(体験はどんなアホウの…

詩は私のいのちそのもの——脳性麻痺の詩人・堀江菜穂子さんはなぜ詩をつくるのか  2020年01月27日

www.chichi.co.jp 脳性麻痺のため話すことも体を動かすことも思うようにできない堀江菜穂子さん。しかし、堀江さんはベッドに寝たきりの生活を送りながら、これまで筆談により数多くの詩を紡いできました。堀江さんはなぜ詩をつくり続けるのでしょうか。 詩…

(喪の旅)言葉をたどる、妻がどんどん近くなる 歌人・細胞生物学者、永田和宏さん

(喪の旅)言葉をたどる、妻がどんどん近くなる 歌人・細胞生物学者、永田和宏さん 2021/1/13 朝日新聞 竹林が茂る京都市左京区の自宅1階。鎮痛剤のモルヒネがきいて、しばらく眠っていた妻が目を覚ました。2010年8月11日のことだ。 不思議そうに家…

「居場所のない人のために」 柳美里さんが紡ぐ物語

「居場所のない人のために」 柳美里さんが紡ぐ物語2020年12月17日 15時33分 NHK 「居場所のない人のために書く。魂の避難所になりうるような物語を作りたい」アメリカで最も権威のある文学賞「全米図書賞」の翻訳文学部門を受賞した、柳美里さんのことば…

客観的になってきた「三島」

客観的になってきた「三島」 ●山中剛史 自分の人生を作品化 ●平野啓一郎 日本社会の否定理解 2020/12/23 東京新聞 コロナにまみれた一年だったが、今まさに猖獗(しょうけつ)を極めるさなかにあって、まだこの状況を客観的に捉えることはできない。文芸におい…

古在由重 『暗い時代の人々』 森まゆみ 亜紀書房 2017年

古在由重 『暗い時代の人々』 森まゆみ 亜紀書房 2017年 大学卒業後の昭和四年、古在由重は東京女子大学の講師になっていた。当時、思想善導という文部省の基本方針により、女子大にも倫理学の授業が用いられた。古在はこの科目で採用された。社会科学研…

美輪明宏「どんな困難に遭遇しても、絶望することはありません」

美輪明宏「どんな困難に遭遇しても、絶望することはありません」 『婦人公論』12月22日・1月4日号 ◆少しでも気持ちが晴れるように 2021年の鍵を握るのは、間違いなく新型コロナウイルスの治療薬とワクチン開発でしょう。しかし一方で、それらを金儲けや政治…

「夕方の三十分」    黒田三郎

「夕方の三十分」 黒田三郎 コンロから御飯をおろす 卵を割ってかきまぜる 合間にウィスキイをひと口飲む 折紙で赤い鶴を折る ネギを切る 一畳に足りない台所につっ立ったままで 夕方の三十分 僕は腕のいい女中で 酒飲みで オトーチャマ 小さなユリの御機嫌…

古在由重 『暗い時代の人々』 森まゆみ

古在由重 『暗い時代の人々』 森まゆみ 亜紀書房 2017年 大学卒業後の昭和四年、古在由重は東京女子大学の講師になっていた。当時、思想善導という文部省の基本方針により、女子大にも倫理学の授業が用いられた。古在はこの科目で採用された。社会科学研…

三島由紀夫自決50年 保阪正康さんに聞く…人格つくった戦中に回帰 

三島由紀夫自決50年 保阪正康さんに聞く…人格つくった戦中に回帰 2020/11/24 東京新聞 1970年11月、作家三島由紀夫が自ら率いた民兵組織「楯の会」メンバーと東京都新宿区の陸上自衛隊市ケ谷駐屯地(当時、現防衛省)に乱入、自決し、25日で50年を迎える。自決…

北京と同じ青春

「父」 泣きながら駆け登りたる丘の上打たれし頬が風に震いぬ 道浦母都子 北京と同じ青春 つい三か月前、春近い長安街を歩いたが、その長安街が血に染まった。自転車の銀輪が波のように溢れていた道路を、今度は戦車がわが物顔に闊歩した。人民解放軍と呼ば…

鶴見俊輔 60年安保

鶴見俊輔 60年安保 鶴見俊輔は1960年、東京工業大学を辞めた。親交深い中国文学者の竹内好が、文化人集団の請願で岸信介首相と面会、新日米安保条約に抗議したが、その後すぐに衆院委員会で強行採決されたため、岸のもとでは公務員はやれないと東京都立大学…

いのちの政治学~コロナ後の世界を考える「隣人と分かち合う。ともに飢え、ともに祈る。ガンディーの姿が伝えたこと」

imidas.jp 自分たちの大地を取り戻す──スワデーシー 中島 さて、ガンディーが展開した運動には、いくつかキーワードになる言葉がありますが、中でも私たちにとって重要なテーマになると思うのが「スワデーシー」です。 この言葉は、しばしば「自国品愛用運動…