52年目のMINAMATA〜アイリーン・美緒子・スミス〜  NHK

52年目のMINAMATA〜アイリーン・美緒子・スミス
NHK  放送日: 2023年2月5日


水俣病を世界に伝えた写真集『MINAMATA』。共同著者アイリーンは患者の高齢化と問題の風化に危機感を抱いている。若い世代に望みをつなごうとする思いを見つめる。
▽今も水俣に通い続けるアイリーン。高齢化し、施設を転々とする患者の現実。支援の先細りも懸念。▽映画「MINAMATA」をみた若者たちから寄せられた多くの手紙。思いを引き継いでほしいと願い、水俣ツアーを敢行▽現実を目の当たりにし、動揺する若者たち。患者と向き合う後押しをするアイリーン。思いは伝わるのか▽映画化の時のある葛藤。苦渋の決断の真相▽今も続く認定と救済を求める裁判。アイリーンに思わぬ再会が。

 

黙らされず「戦争は嫌」声あげよう 田中優子さん(法政大学名誉教授・前総長) 2023/2/5

黙らされず「戦争は嫌」声あげよう 田中優子さん(法政大学名誉教授・前総長)

2023/2/5  しんぶん赤旗日曜版


 岸田政権は5年で43兆円、GDP(国内総生産)比2%の「防衛費」を打ち出しました。国会審議も総選挙もなく、戦後の安全保障原則の大転換をすすめています。
 軍拡・大増税の道は、労働者の賃上げ、ひとり親家庭非正規労働者、性的マイノリティーなど公的支援の政策を棚上げすることになります。
 戦争になれば、経済はさらに悪化します。多数の死者が生まれれば、徴兵、学徒出陣などの戦前の記憶は、昔話でなくなります。
 女性は戦前、大日本婦人会など、銃後を守る存在として我慢を強いられ、「国を守るため」と組織化されていきました。私たちは十分に警戒する必要があります。黙らされることなく、「戦争は嫌だ」と声を上げる必要があります。


■いまはもう「戦時体制」…反戦・戦争回避の行動を早く
●「女たちの会」署名広げて
 私を含め13人の女性が「平和を求め軍拡を許さない女たちの会」を立ち上げ、1月14日からネット署名を呼びかけています。6万2千人以上が賛同しています。2月8日には署名提出の記者会見を行います。
 求めているのは、①軍事費GDP比2%を撤回すること ②歯止めなき軍拡を押し進めることをやめ、女性や子ども、若者や社会的弱者の目線に立った政策をすすめること…です。
●米国がまた戦争を起こす
 私は、「反戦の準備をしよう」と、「東京新聞」のコラム(1月15日付)で書きました。文中引用したジョン・レノンの「平和を我等に」はベトナム戦争反戦歌です。
 私の若いころはベトナム反戦運動が広がったときでした。アメリカは勝つと思ってベトナムに侵略したものの泥沼化しました。米兵が沖縄からベトナムに飛び立ち、また戻ってくる。私は横浜に住んでいました。厚木の米軍基地が近く、電車に乗ると米兵が電車に乗っている。生々しいことが目の前の出来事としてありました。
 そして、アメリカがアジアでまた戦争を起こす気がしています。
今はもう「戦時体制」だと私は思っています。日本は2015年の安保法制の成立によって集団的自衛権の行使を認めました。今度は「敵基地攻撃能力」保有のもとで、日本が攻撃を受けなくてもアメリカの艦船などが攻撃されれば、日本が相手国を攻撃することが現実のものとなります。
 報復されれば、真っ先に沖縄が犠牲になります。全国展開している自衛隊の基地、米軍基地も全部使うというのですから、日本列島全体が攻撃対象になります。
 「戦時体制」だと思う一つには、菅政権から始まった学術会議への介入の問題もあります。
 今、1930年代ととてもよく似ていると感じています。31年に満州事変がおこり軍備拡張が進むなかで、京都大学の滝川事件(33年)、美濃部達吉天皇機関説事件(35年)が立て続けにおこりました。学問や思想・言論への統制が強化されました。
 軍事的な拡大だけでなく、研究などの日常にも戦争は入り込んできます。
 こうしたことも、黙っていれば始まると思います。
 「ここから戦争」という区切りはありません。ウクライナ侵略をしたロシアも宣戦布告をしませんでした。かつて日本も、満州事変にしろ、真珠湾攻撃にしろ、宣戦布告などしませんでした。何かの事件を口実に、徐々に戦争は始まります。まれば泥沼化します。私たちには歴史的な経験があります。
 今、早く反戦、戦争回避の行動をしていかないと間に合わない。
 戦争を回避すること、外交で戦争を起こさない努力をすること、いろんな努力が必要です。多くの人が言い続けなければ、政府はその努力をしません。

 


https://is.gd/8pYzoz ←私は、「反戦の準備をしよう」と、「東京新聞」のコラム(1月15日付)で書きました。

 

(社説)「黒い雨」救済 長崎の訴え 受け止めよ 2023年2月2日

(社説)「黒い雨」救済 長崎の訴え 受け止めよ

2023年2月2日 朝日新聞

 

 なぜ、長崎で原爆に遭った人たちの訴えを拒むのか。広島に関して救済を命じる新たな司法判断が示され、政府もそれを受け入れたのに、どうして長崎では従来の見解にこだわるのか。疑問と憤りを禁じ得ない。

 78年前、きのこ雲の下にいながら、国が指定した被爆地域の外にいたため被爆者健康手帳を交付されていない「被爆体験者」をめぐり、厚生労働省が改めて「救済は困難」とする文書を先月、長崎県に送った。

 厚労省が引き合いに出したのが、長崎の被爆体験者が起こし、最高裁で敗訴が確定した裁判だ。被爆地域外で放射性物質を含む「黒い雨」が降ったとの客観的な記録はなく、爆心地から一定の距離を超えた場所にいた人は放射線による健康被害は認められないといった国側の主張が是認された。これを踏まえ、文書は「判決と整合性を欠く施策の実施は困難」とした。

 あまりに硬直的で、広島での対応との整合性を欠くと言うほかない。

 広島の「黒い雨」をめぐる訴訟では、20年の広島地裁に続き、広島高裁も21年の判決で原告全員への手帳の交付を命じた。特に高裁は疾病の有無にこだわらずに救済する判断を示し、汚染された飲食物などを通じた「内部被曝(ひばく)」による健康被害の可能性も指摘した。

 当時の菅政権は最高裁への上告を断念。「同じような事情」にある人の救済を急ぐと表明し、広島では手帳の交付手続きが進んでいる。こうした経緯を政府は忘れてしまったのか。

 長崎の被爆体験者は約6千人にのぼる。長崎県と市は昨年、専門家会議の議論を経て報告書を厚労省に提出。長崎でも被爆地域外で雨が降り、灰などの放射性降下物も含めて判断すべきだと訴えていた。厚労省文書の内容に反発するのも当然だ。

 被爆体験者に対しては、区域を限ったうえで精神疾患がある人に医療受給者証を出し、費用を助成する仕組みがある。政府は新年度から7種類のがんも対象にする方針を示したが、被爆体験による精神疾患の前提条件は変えないなど、抜本的な救済にはほど遠い。

 過去に敗訴した体験者のうち一部の人は、手帳交付の再申請が退けられたことを受け、長崎地裁で裁判を続けている。先月には4人が法廷に立ち、原爆投下後に灰や燃えかすが広範囲に降り、区域外でも健康被害があったと証言した。

 体験者ではなく、被爆者と認めてほしい――。政府はこの声に応えるべきだ。裁判を否定するような文書送付をわび、広島と長崎に分断をもたらしかねない姿勢を改めねばならない。

 

【政界地獄耳】非自民細川政権の訪米団と比較すれば… 2023年2月1日

【政界地獄耳】非自民細川政権の訪米団と比較すれば…
2023年2月1日  日刊スポーツ


★31日、閣議後の会見で複数の閣僚が1月の首相・岸田文雄の欧州歴訪の際、首相からお土産をもらったと答えた。一部の閣僚は「お土産はプライベートなことなので、お答えは控えさせていただきたいと思います」と妙な回答をしたために、その後の予算委員会立憲民主党後藤祐一が息子で総理秘書官・岸田翔太郎が外遊先で公用車を使って百貨店を訪れ、土産物を購入したとの報道について質問があった。
★首相は「(お土産は)全大臣に買ったと承知をしております。具体的な内容については控えますが、いずれにせよ私自身のポケットマネーで買ったということは間違いないところであります」と答弁すると「公私混同ではないか。現にプライベートなことと閣僚が言っている」と畳みかけられ「秘書官には政務と事務の役割がある」「政治家としての総理のお土産を購入する、これも政務秘書官の本来業務に含まれ、公務である」と言い切った。
★そこで思い出すのが、1993年に発足した細川連立内閣だ。何しろ日本社会党新生党公明党日本新党民社党新党さきがけ社会民主連合民主改革連合の8党派の連立内閣で非自民政権の樹立は自民党政治との決別も意味していた。政権は政治改革や選挙制度に着手したが、国民に分かりやすく「料亭政治の廃止」などを掲げた。日米首脳会談は正式には3回目の会談となる94年2月にワシントンで細川-クリントン会談が行われたが、ワシントンに行ったのは首相・細川護熙、副総理兼外相・羽田孜官房副長官鳩山由紀夫とあっさりとしたもので、歴代自民党の大名の参勤交代のような訪米団ではなかった。当然、首相から訪米土産などなかったが、政治家はともかく、首相・田中角栄以来、官邸職員たちはその末端までお土産を楽しみにしていたものの、それがなく大いにがっかりしたものだ。細川からすればそこに官邸の機密費が使われることを嫌ったのだろう。それが今では「お土産購入は公務」とは。(K)※敬称略

 

安倍晋三に対する思い 籠池泰典 『国策不捜査』

安倍晋三に対する思い

 

籠池泰典 『国策不捜査』

 

 

 ボクは教育関係の組織から保守運動に携わり、そこから日本会議とも関わりを持つようになった。ご存じのように、日本会議は「教育基本法」の改正にも大きな影響を及ぼしている。

 だが、現在の日本会議の存在理由は憲法改正だけ。そう言い切っていい。憲法改正こそが焦眉の急であり天王山である。

 根っこには、これまで述べているように、生長に家原理主義者たちが抱く狂おしいまでの占領軍による押しつけ憲法への憎悪がある。

 先ほどボクは「日本会議の凄みは、ものすごく長期的なスパンで小さなことからコツコツと積み上げていくところ」と述べた。

 憲法改正についても、日本会議は数十年前から現在の状況を見据えて活動してきた。

 具体的に言うと、安倍晋三を巡る動きがその一つだ。日本会議は、安倍さんが1993年に政界デビューした当初から、「この男をかついで憲法改正を実現させる」と考えていた。

 何十年にもわたって政治家・安倍晋三を陰に日向に支援してきたのも憲法改正のため。この粘り強さは、そんじょそこらの組織にできる業ではない。

 ここまで書くと、ボクが自分の学校に「安倍晋三記念小学校」と名付けた理由の一端を理解してもらえるのではないかと思う。

 日本会議の人間にとって、この人は他の政治家とは違う特別な存在なのだ。

 

「森友問題の要所には必ず、アッキーの影 昭恵首相夫人「主犯説」を追う」 週刊朝日  2017年4月21日号

「森友問題の要所には必ず、アッキーの影 昭恵首相夫人「主犯説」を追う」

週刊朝日  2017年4月21日号

 

 “疑惑”の舞台は奈良学園大学信貴山グラウンドで開催された親子向けスポーツイベントだ。主催者の一般社団法人「重心道」の顧問を務める昭恵氏が2015年9月4日、ゲストとして参加していたが、私学審議会会長の梶田叡一氏も同席していたのだ。
 奈良学園大の学長だった梶田氏は、森友学園の小学校の設置認可申請について審査する責任者だ。

 15年9月3日から5日までの3日間は、森友学園問題をめぐる国有地取引の深層を解く鍵となる。9月3日は安倍首相が当時の財務省理財局長だった迫田英典氏と面会。4日は、近畿財務局で国土交通省大阪航空局と、森友学園から校舎の建設を請け負った業者らが国有地の地下埋設物の撤去費用をめぐって交渉を行った。また、当日は安倍首相が安保法制の国会審議を欠席し、大阪入り。読売テレビの情報番組に出演した。加えて昭恵氏が私学審議会の会長に会っていたというから、単なる偶然にしてはできすぎた話に思える。あまりにも時宜にかなっているだけに、昭恵氏の“主犯説”が持ち上がったが、真相は藪の中だ。

 この奈良学園大学のイベント、翌日の森友学園での講演も、夫人付職員の谷査恵子氏は影のように寄り添い、昭恵氏が自身のフェイスブックにアップした写真で屈託のない笑顔を見せる。

 

鈴木宣弘著「世界で最初に飢えるのは日本--食の安全保障をどう守るか」…消費者たちよ、目覚めよ!

鈴木宣弘著「世界で最初に飢えるのは日本--食の安全保障をどう守るか」…消費者たちよ、目覚めよ!

2023/1/28 東京新聞

 


 衝撃のタイトルに、楽観主義の私はやや辟易(へきえき)しながら読み始めた。ところが、冒頭から来たるべき飢餓時代に備えて農水省が提案した「一日三食お芋」プランに仰天である。その昔、NHKの討論番組で同席した鈴木宣弘氏が、流通が強い日本で国内生産者の収益が低過ぎると強く訴える姿に目を奪われた。その生産者びいきの訳を楽屋で探ると、三重県生まれの氏は「僕の母は元海女なんです。今はアコヤ貝の養殖をしていますが」と言ったのだった。以来、生産者側に立つ経済学者としての主張は1ミリもぶれない。
 日本は、小麦、大豆、飼料トウモロコシの大部分を輸入に依存している。だが、ロナ禍とウクライナ戦争で、「海外から安く買う方が効率的」という食のあり様が破綻してきた。中でも飼料を海外に依存する酪農家は危機的状況に追い込まれている。氏は、それでも、脱脂粉乳やチーズが大量に輸入され続ける現状を批判し、国内で禁止された成長促進剤が使われた牛や豚の肉が、サンプル検査の網の目を潜り抜けていることを大いに危惧する。
 そして、元農水官僚の氏は、「日本政府が農業を軽視する背景には、アメリカの意向がある。アメリカ政府は多国籍企業の意向で動いている」と言い切る。農を犠牲にし自由化に貢献したことで、自動車業界へ天下りした官僚や、イモの輸入自由化に抗(あらが)って左遷された官僚の逸話は生々しい。また、飼料が高騰した畜産業の救済の助成金4000億円のうち、酪農家に入ったのは百億円という事実には、すぐに捜査の手が入ることを望む。ネタバレになるから書けないが、防衛費を倍増するなら、先にやるべきことがあるだろう!という、その解決策としての予算案には、多くの人々が深く頷くことだろう。
 『WTOアメリカ農業』『食の戦争』と、敢えて〝煽ること〟を止めない氏の本作もまた、このままではいかんというポジティブな怒りをそそる。行間から聞こえてきたのは、日本の消費者たちよ、目覚めよ!もっと子供たちを養う食と農に関心を抱き、選挙に赴こう!というメッセージである。 評:島村菜津(ノンフィクション作家)